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授業中に時折、こんな手紙のやりとりがある。 けだるい午後の何気ない一コマ。 左隣の高橋さんから囁かれて受け取った手紙には、 『明日の朝早く、誰もいないうちに教室に来て。 理由は聞かないで。詳しくはそのとき話します。』 とだけ書かれていた。 左やや後方に視線を向けると、ムギは素知らぬ顔で普段通り授業を受けている。 受け渡しをした高橋さんも同様だ。 ふむ、これは何かよほど大事な相談があるのだろう。 ここで返信するのは無粋というものだ。 私も同じように、普段通り授業を受けた。 放課後も、いつものように軽音部ではティータイム。 私も半ば呆れつつ、雑談の輪に加わる。 ムギが紅茶を淹れてくれる。 唯がお菓子にがっつく。 梓が練習しようと急かす。 律がはしゃぐ。 私が律のデコを叩く。 ティータイムの後、申し訳程度に練習をする。 こうして、今日という時間も、いつものように過ぎ去った。 部活中も、私は手紙のことには触れなかった。 部活後、律にだけ、明朝は所用で一緒に登校できないことを伝えておいた。 ──翌朝 校門が開いてまだ間もない、いまだ人気のない昇降口。 下駄箱を開け閉めする音がやけに大きく聞こえる。 靴を上履きに履き替えて床を爪先で叩きながら、 「話って何だろうな…相当重要な話なんだろうけど」 と、独り言を呟きつつ、まさか告白されたりしないよなあ、などと苦笑する。 意を決して教室に入ると、誰もいない。 いきなり背後から驚かされたりしては心臓に悪い。 周囲を見回しつつ、恐る恐る声を出す。 「おい、ムギ?いないのか?」 しかし、返事はなく、静寂が答えるのみだった。 少し早く来すぎたのかもしれないな、と、独り合点する。 ひとまず、自分の席に荷物を置いて腰掛けようとすると、机の上にある何かが光った。 「眼鏡…」 シンプルでオーソドックスな眼鏡。洒落っ気はないが、野暮ったい感じもない。 黒っぽく細いチタンフレームで、掛け心地はよさそうだ。 だがレンズの向こう側の像が大きくゆがむところを見ると、 レンズは薄いが、向こう側の景色が縮んで見えるので、度はかなり強いことを伺わせる。 おそらく、隣の高橋さんが間違えて私の席に置いてしまったのだろう。 ということは、高橋さんももう登校しているということか。 でも、眼鏡を置いたままどこに行ったのだろう。 ふと、イタズラ心が脳裏をかすめた。 「か、掛けてみちゃおうかな。ちょっとだけ…」 同じクラスになってからというもの、私と高橋さんはそっくりだとよく言われる。 席が隣ということもあり、しばしばからかわれるのだが、実際どのくらい似ているのだろう? 好奇心にかられ、私は鞄から手鏡を取り出すと、その眼鏡を掛けてみた。眼鏡の度で視界が歪む。 …なるほど、手鏡に映る像は確かにそっくりだ。他人のそら似とはよく言ったものだ。 高橋さんがドッペルゲンガー呼ばわりされてしまうのも頷ける。 「度が強すぎるな。気持ち悪くなる前に外そう…」 そう思って眼鏡のツルに手を掛けた瞬間。 強烈な頭痛。 視界はさらに激しく歪む。 異変と危険を察知した私は、眼鏡を必死に外そうとする。 しかし、眼鏡は肌に癒着したかのごとく、外れない。 呼吸がままならなくなる。 左右のこめかみを万力で締め上げられるような激痛。 同時に、全身の血が脳内に充満してくるような圧迫感。 「ぐ……ぁッ……!」 私は、叫びにならない叫びを上げて意識を失う。 その刹那、手鏡の中の私の顔が、かすかに嘲笑を浮かべた気がした。 … …… ……橋…!……さん!おーい!寝たら死ぬぞ~!衛生兵っ!衛生兵~っ!」 うるさい。しつこい。 肩を激しく揺さぶられて、たたき起こされる。 どうやら朝から居眠りしてしまったらしい。 ぼんやりとした意識のまま、眼鏡を直しつつ顔を上げる。 聞き慣れたはずの声に、見慣れたはずの額とカチューシャ。 「…ああ、田井中さん、おはよう」 「ここは澪の席だぜ?いくらメガネ澪だからって席まで一緒じゃ困るなぁ」 努めて穏やかな表情を保とうとするが、こういうガサツでやかましい人種は正直好かない。 だが、田井中さんの名を呼んだとき違和感を覚えたのは何故だろう。 すると、秋山さんが教室に入ってきた。 「朝っぱらからうるさいぞ、律」 「うお!本体のお出ましだ。『フッ、それは残像だ』とか言わないの?」 「ふざけるなって!」 「ところで今日はなんで早く登校したの?」 「ちょっと早めに来て自主練してた。誰かさんのせいで最近おろそかだしな~」 「スミマセンデス!」 秋山さんが田井中さんと掛け合い漫才のように話している間に、 私も、そそくさと隣にある自分の席に戻る。 秋山さんが自席に近付いてきて、私に話し掛ける。 「おはよう高橋さん。ごめんな。いつもうるさくて」 「大丈夫よ。気にしてないから」 気にしていても言えるわけないのに。溜め息が混じりそうになるのをごまかす。 それに気にしてはいないというのは嘘ではない。気に食わないし気に入らないけれど。 このくらいで目くじらを立てていたら私の狭量さが知られてしまう。 席に座った秋山さんが不思議そうにつぶやくと、田井中さんが応じる。 「ん? なんか席が温かいな」 「澪2号さんが秀吉ばりに席を暖めておいてくれたようでーす!」 メガネ澪だの澪2号だの言わないで。私にはちゃんとした名前があるの。 高橋風子という名前が。 そう内心で反感を抱きつつも、言い返せない自分にも腹が立った。 2
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楽園からの追放者 ◆VvWRRU0SzU 白い、光……全てを呑み込む……強く、激しい輝き…… ああ……消えていく……私が…… 主は……私を助けては……くれない…… 必要じゃ、ないから……? あの方の望む存在に……なれなかったから? では、私は……私の存在していた、意味は……私は、何? 私は……何になれた? ……何にも……なれなかった…… この宇宙は……静寂でなければ……いけない…… 望んでいない世界……修正……しなければ…… 静寂の世界……その世界になら……私の、居るべき……場所は……ある? 違、う……どこにも……ない……不確かな私……不確かな存在が、居てもいい……場所なんて…… このまま……消える……それが、あるべき……私の……終焉…… …………! これは……想いの力…… 静寂を乱す……違う……静寂を望む……いいえ、そうでもない…… 意志の力……そう、ただ一つ……大切なものを取り戻す……そのためだけの…… そう……まだ、生きて……抗う……戦う意思が……ある…… 消えかけた命……消えかけた私…… 世界を変える……想いの力……あなたが強く……想う……悲しくて……温かい……力…… でも、私は…… □ 「おはよう、統夜!」 背中を叩く衝撃と共に、弾けるような声が耳に抜ける。 俺が振り向いた先には、予想通りの顔。 「いったいな……いきなり叩くの止めろって何回も言ってるだろ、テニア!」 「あはは、ごめんごめん」 取り落としていた鞄を拾い、改めて向き直る。 フェステニア=ミューズ。 俺――紫雲統夜のクラスメイトにして、その、なんだ。先日から付き合っている女の子。 付き合い始めてから最近、こうして一緒に登校することにしている。 家もさほど離れている訳じゃない。だから家に迎えに行こうと思えばできるけど、それはしない。 「ん、カティアとメルアは?」 「もう先に行ってるよ。気を遣ってくれたんじゃないかな」 カティア=グリニャールと、メルア=メルナ=メイア。 テニアの姉妹……のようなものらしい。三人は一緒に住んでいるのだ。 少し前までは四人で登校していたのだけど、テニアと付き合うようになってからは、今日みたいに二人は先に行くことが多くなった。 「そっか。今度、何か奢らないとな」 「あ、じゃあ駅前に新しくできたカフェがいい! ケーキが美味しいんだって!」 「いや、なんでお前にまで奢らなきゃいけないんだよ……」 そんな他愛もない事を話していたらあっという間に学園へ着いた。 校門を通って、校内へ。 「よう、紫雲。今日も仲がいいな」 「あ、おはようございます先輩」 下駄箱で会ったのは、一見無愛想だけど何かと周りに頼りにされることの多いジョシュア=ラドクリフ先輩だった。 その隣にはそのジョシュア先輩の彼女の、グラキエース先輩がいた。こちらはあまり話したことはないので軽く会釈するだけだ。 ジョシュア先輩には俺も世話になっている。主に……そう、テニアと付き合うようになったことでの相談で。 ジョシュア先輩とグラキエース先輩は入学前から付き合っていて、まだまだ経験の浅い俺は色々アドバイスをもらっている訳だ。 「ジョシュア、早くいかないと遅刻するぞ」 「ああ、ごめんラキ。じゃあ紫雲、またな」 美人だけどあまり感情を出さないグラキエース先輩に急かされ、ジョシュア先輩達は通路の向こうへと去っていく。 二人はごく自然な感じの距離の取り方で歩いていく。それを眺めていた俺はと言うと、 (なんかいいなあ……あの自然な感じ。俺とテニアも傍から見たらあんな感じ……だったらいいんだけど) 「お待たせ、統夜」 と、靴を履き替えてきたテニアが戻って来た。この学校は男女の靴箱が別の位置なのだ。 予鈴のチャイムが鳴る。俺も慌てて靴を上履きに履き替え、テニアと一緒に教室に向かって走り出した。 ドアを開けて、滑り込む。先生は……まだ来ていない。セーフだ。 「おはよう、統夜」 「おはようございます、統夜さん」 カティアとメルアは先に着いていた。まあ、家を出た時間が遅いので当り前か。 「おはよう、二人とも。なんとか間に合ったみたいだな」 「ギリギリだったけどな」 挨拶を返した俺にからかうように声をかけて来たのは、クラスメイトのガロード=ランだ。 「もうちょっと早く家を出たらどうなんだ? いつもギリギリじゃないか」 「そうだよ。せっかく彼女がいるんだから、起こしてもらえばいいのに」 「まあ、したらしたで見せつけられてるようでなんかムカつくんだけど」 同じくクラスメイトのカミーユ=ビダン、アイビス=ダグラス。そしてソシエ=ハイム。 この四人に俺達四人を足した八人でいつもつるんでいる。 「起こしてもらうって、テニアに? そりゃ無理だろ」 「無理ね」 「無理ですね~」 俺とカティアとメルアが全く同じタイミングで返す。そういう面ではテニアはあまり頼れないというのは俺達の共通の認識だ。 「ちょ、ちょっと! それは失礼ってもんじゃないの!? アタシだってそのくらい……」 「あら、今日あなたを起こしたのは私だった気がするんだけど気のせいかしら?」 「うっ……」 反論しようとしたテニアを、カティアが一瞬で黙らせた。まあそうなんだろうとは思っていたが、本当にそうだったとは。 テニアがなおも言い返そうとしたとき。 「ホームルームであぁぁぁぁぁぁぁぁぁるッ! 貴様ら静まれぃッ!」 ドアを蹴り飛ばす勢いで(って言うか実際に蹴ってた)担任が入って来た。 歴史の教師、ギム=ギンガナム。 どう見てもあんたそのスジの武闘派だろという風貌のこの男、どんな裏技を使ったのか今年から新任教師としてこの学園に赴任してきた。 普通初めて生徒を受け持つとなればどんな奴だろうと委縮しそうなものだが、こいつは違った。 なんせ最初の挨拶で「諸君、小生は闘争が大好きであぁぁる!」とぶち上げたのだ。 唖然とする俺達を尻目に、暑苦しさ全開で一年戦争で使用された戦術の講義(こいつはまともに歴史の講義をした試しがない)を始め、一時限目から四時限目までぶっ通しで語り通した。 途中で別の教科の教師も来たが、ヒートアップしたギンガナムが睨むとみんな逃げて行った。まあ無理もない。 生徒の中にはもちろん途中で音を上げる奴もいた。 が、こいつは自分が語れれば満足らしく、こっそりと生徒が後ろの扉から出て行っても気付かず(無視していたのかも知れない)特に咎める事もなかった。 最終的に残ったのは俺達八人だけで、その内真面目に聞いていたのはカティアとカミーユ、アイビスだけだ。 俺やテニア、ソシエは早々に夢の世界に旅立っていたし、メルアはなんか持ち込んだお菓子をこっそり食べてた。 ガロードに至ってはこれまた持ち込んだらしいゲーム機でずっと遊んでいた。後で聞いたところによると好きな娘とクラスが離れていじけていたらしい。 とにかくそんな感じで俺達は仲良くなって、またギンガナムにも目を掛けられていた(付けられていた、か?)。 「あー、注意事項である。最近この界隈に通り魔が出没するらしい。貴様らも登下校の際、気をつけるように」 「通り魔って……あ、聞いたことある。夜出歩いてると刃物で切りつけられるってあれですか?」 「うむ。どうも犯人は相当の手練れらしく、格闘技経験者にも犠牲が出ている。見つけたら決して応戦しようなどとは思わず、小生に連絡するように」 「え……逃げろとか警察に連絡しろとかじゃなくて、先生に連絡するんですか?」 「然り。警察の包囲網を潜り抜け、屈強な戦士をもねじ伏せるその力……小生のこの熱く燃え滾る胸の高鳴りをぶつけるに不足なき武士よぉ!」 また勝手に盛り上がってるギンガナムに構わず、俺達の話題はその通り魔のこと一色になった。 多少剣を扱える俺や空手をやってるカミーユ、やたらと機転の利くガロードはともかく、女子は単独で行動させるのは危ない。 そうは見えないが生粋のお嬢様であるソシエはいつも車で登校してくるし、アイビスもまたこう見えてスピード狂だ。 彼女はバイクで登校しているのだが、なんかテスラドライブとか言うエンジンを積んだそのバイクは短時間なら空も飛べるとかいう話で、正直通り魔だろうとなんだろうと追いつけはしないだろう。 問題はテニア、カティア、メルアの三人だが…… 「じゃあ、カティアとメルアは私の車に乗ればいいわ」 「え、アタシは?」 「あんたは統夜に送ってもらいなさいよ。そのための騎士さまなんでしょう?」 ソシエが意地の悪い笑顔で言った。たしかに俺が最近剣の練習をしているのはそういう気持ちがなくはないが…… 「む、わかったわよ。相手のいないソシエと違って、アタシにはちゃーんと守ってくれる人がいるもんね」 「なんですってぇ……!」 ソシエの挑発に乗ったテニアが返した一撃は、ソシエの気にしているところでもあったようだ。 火花を散らし始めた二人から視線を外し、仲間達を見る。 「まあ、それがいいんじゃないか。俺やガロードも、いつも一緒に帰れる訳じゃないし」 「だな。それに俺はティファと一緒に帰るつもりだから……悪いな」 言い忘れていたがカミーユとガロードも普通に仲の良い娘はいる。 ティファって娘一筋のガロードはともかく、カミーユの方は幼馴染とか妹みたいな娘とか、あともう一人仲の良い娘がいるらしい。 俺も人の事を言えた義理ではないからかもしれないが、なんとなくカミーユには親近感を感じなくもない。 とりあえず登下校の際テニアと一緒に行動することを決めた。と言っても、今までもそうだったのだから特に変化がある訳じゃないが。 いつの間にやら始まっていたギンガナムの講義(今日のテーマは戦車部隊をどのように運用すればモビルスーツを撃破できるか、だ。もはや歴史ですらない)を聞き流しつつ、放課後どうするかを考える。 今日は―― 放課後。 そうだ、ギンガナムは忘れていたがその次の授業で通り魔らしき男の人相書きの載ったプリントが回って来た。 髪を短く刈り上げた、蛇のように鋭い眼をした男。 こいつが通り魔だという確証はないらしいが、見た目とても怪しくはある。どう見ても堅気ではない。 とにかくこいつに気をつけるように、そういうことらしい。 男の顔を思い出しつつ、授業を終えた俺とテニアは寄り道することもなくさっさと帰ろうということになった。 ん……なんだか下駄箱の辺りが騒がしい。 近づいていくと、人だかりができている。 その内の一人を捕まえて何があったのか聞いてみた。 「あれだよ。クインシィ先輩とカテジナ先輩。止めてほしいよね、こう毎日だと」 「ああ……またあの二人か」 挙げられた名前の二人は、この学園でもトップクラスに凶暴とされる先輩だ。 何が気に入らないのか、日に三度は口論するらしい。口論が殴り合いに発展する確率は三回の内二回。迷惑な話だ。 近くに寄ってみれば、ガロードともう一人、ジョナサン先輩がクインシィ先輩を。カテジナ先輩の方はアフロ頭の学生がなだめている。 ガロードは何故かクインシィ先輩のお気に入りなんだそうだ。とてもティファには会わせられないと度々愚痴られているからよく覚えている。 アフロは……先輩らしいが、俺とは関わりのない人だ。カテジナ先輩と仲がいい訳じゃないらしいが、よく対応に駆り出されているのを見るな。 そうだ、何故かあのアフロとジョナサン先輩もまた仲が悪い。こうして同じ場にいるってことは…… 「あ、あの二人もケンカし出したね」 「飽きないな、あの人達も」 ジョナサン先輩がクインシィ先輩を援護するためか、敵の陣営のアフロの頭、つまりアフロヘアーをからかった。 カテジナ先輩をなだめていたアフロもキレたらしく、ジョナサン先輩の弱点……つまりはその、マザコンだと攻める。 こちらも一瞬で沸点を突破したか、何も言わずアフロへと殴りかかるジョナサン先輩。応じるアフロ。 当然、抑えのなくなったクインシィとカテジナ(なんかもう先輩って呼ぶのも恥ずかしい)も口をつぐみ、互いの隙を窺うように視線を刺し合っている。 ガロードは……あ、なんか携帯端末をいじってる。現実から逃げたか…… 図らずもツインユニット同士の戦いの舞台となった下駄箱。 ひしひしと感じる流血の匂いを、誰もが他人事特有の無責任な期待を以って受け入れようとしたとき。 『俺の歌を聴けぇッ――――――――――!』 帰宅部はさっさと帰れ的なことを言っていたスピーカーから凄まじい騒音が迸った。 咄嗟に耳を押さえる。この学園の生徒なら誰もが知っている声だ。 熱気バサラ。軽音部に所属する学生。生粋の音楽バカだ。 いつでもどこでもギターを持ち歩き、気が向いたらかき鳴らす。 人の迷惑を考えもしない。でも何故か、あまり憎めない――そんな奴。 今この放送を流してるのも多分偶然だ。そもそも放送ジャックなんて学園側は認めてない。 だがタイミングとしてはバッチリだった。水を差されたジョナサンとアフロは殴り合うのを止め、離れて不本意そうに鼻を鳴らす。 とにかくこれで騒動は収まった。やっと帰れる――と、思ったのに。 「ねえ、統夜……あの二人、今の全然聞こえてなかったみたいだよ」 「……うん、そうみたいだな」 クインシィとカテジナは、今のバサラの騒音など聞こえていなかったかのようにがっぷりと手を組んで睨み合っている。 膂力が拮抗しているのか、その腕は二人のちょうど中心あたりで静止している。 だが腕に浮かぶ筋肉の張り詰め具合から、決してじゃれ合っている訳ではないとわかる。こいつら、マジでやり合ってやがる…… ジョナサンとアフロももう止める気はないのか、明後日の方を向いて明日の天気について話している。苦労人同士、実は気が合うのだろうか。 「お前達、何をしているのだ! ええい、散れ散れッ! 用のない者はさっさと帰れ!」 と、そこに現れたのは校長のユーゼスゴッツォだ。 校長のくせに仮面で顔を隠す、学園変態ランキングのトップ1(ちなみに二位はギンガナム、三位は総代と呼ばれる理事長だ)。 「また貴様らか! 私の職場で問題を起こすなと何度言ったら……!」 ユーゼスは無謀にも実力でクインシィとカテジナを引き剥がそうとしたらしい。 横合いから無遠慮に差し出された手に、二人は敏感に反応する。 「「邪魔だ!」」 一瞬で組んでいた手を離し、ユーゼスの腹へと固めた拳を叩き付ける×2。 咳き込んだその隙に伸ばした手を掴む二人。そのまま全く同じ動作でユーゼスの足を払い、投げ飛ばす。 「う、ゴホッ! き、貴様らッ! 校長に暴力を振るっていいとおもっ……!」 言い終わるのを待たずゴミ箱に頭から突っ込んだユーゼス。 投げ飛ばした当の二人はもはや見向きもせず、当初の敵へと向き直り威嚇し合っている。 「やれやれ、懲りない輩だ。オルバ、そっちの足を持ってくれ」 「了解、兄さん」 どこからともなく現れたフロスト兄弟(教師)が、ユーゼスを引っ張り出そうとする。 いや……よく見たらあいつら校長をさらにゴミ箱に押し込んでやがる。 「おい、これを使え」 これまたいきなり現れた食堂のコック・テンカワ(こいつら喧嘩を見てただろうに止める気0だ……)が、やたらと大きいゴミ袋をフロスト兄弟に渡していた。 「む、気が利くなテンカワ。よし、これに詰めて焼却炉に持って行こう」 「名案だね。ついに僕らがこの学園を支配するときが来た」 「モゴ、ムガッ!? 待て、貴様ら何をする気だ!? 私はこの学園で一番偉いのだぞ!?」 「だからさ。貴様さえいなくなればこの学園の支配者は我ら兄弟ということだ」 「俺はそんなものに興味はないが、貴様は今日俺の作った火星丼を残しただろう。許せんな」 「ま、待て! これは組織的な犯罪だ! 誰か、ちょ、ま」 ……何か見てはいけないものを見たような気がする。周りの奴はみんな、見て見ぬふりだ。テニアも例外じゃない。 止めるべきか迷っていたら、 「……まあ、あの校長なら別にいなくなってもいいんじゃない?」 「……それもそうだな。ほっとこう」 テニアの一言で止めた。どうでもいいことだ。てかもう帰りたい。 でもまだクインシィとカテジナが睨み合っている。しかもその場所は俺の靴箱の真ん前だ。 このままだとしばらく帰れそうにない。どうするかな…… 「待ちたまえ! 当方に交渉の用意あり!」 「あ、統夜。ネゴシエイターが来たよ!」 テニアの声に顔を上げる。そこにいたのは紛れもない、学園一の交渉人の名を取るロジャー=スミスだった。 国語の担当教師であるこの男はやたらと弁が立つ。 その口の回り様から、様々なトラブルの解決役に大いに頼りにされている。 おそらくこの騒ぎを聞き付けた誰かが事態の収拾を依頼したのだろう。誰だか知らないがGJだ。 騒動の渦中たる二人に話しかけるロジャーの横には、肉を前にした犬のようにうずうずとした様子のギンガナムがいた。 ロジャーだけで抑えられないときの実力行使を行う保険ということだろう。明らかに人選段階でミスってる気がするが。 とにかく、今のうちだ。俺とテニアはロジャーが場の空気を掌握した一瞬を逃さず靴を履き替え、学園を脱出した。 太陽が稜線の向こうに沈み、薄暗くなったころ。道を歩く俺とテニア以外に人の影はない。 通り魔のことを思い出した。いかにも、って感じのシチュエーションだ。 隣を歩くテニアが、ぎゅっと俺の腕を掴む。強気そうに見えて実はそれほど打たれ強くはないと知っているから、俺もそのままにさせておいた。 しばらく、会話もなく歩く。 通り魔のことがあるとはいえ、概ね穏やかな、いつも通りの日常だった。 今までずっと続いてきた、これからもずっと続いていく――そう、根拠なく思っていた時間。 「ねえ、統夜……あれ」 幸福感に浸っていた俺にテニアが声をかける。 その視線の示す方に目を向ければ、そこにいたのは昼間配布された通り魔らしき人相書きと、同じ顔の男。 がっしりとした体格に、ナイフのように研ぎ澄まされた気配。 通り魔かどうかなどこの際問題ではない。どうであれ、危険な臭いしかしない。 その男が、じっとこちらを見ている――いや、俺を、見ている。 ギンガナムに連絡、なんて思い浮かばない。もちろん、背負った剣で戦うなんて論外だ。 すぐにこの場から逃げようと、それだけで思考が埋め尽くされる。 テニアの手を引き、来た方向に向けて走り出す。テニアは疑問の声を発することもなく、黙って俺について来た。 走りながら横目で男を確認する。追っては来ない――だが、その口元は確かに嗤っているように見えた。 十数分ほど走っただろうか。 先程の場所から結構離れた公園へと走り込んだ俺達は、荒い息をついて立ち止まった。 俺もテニアも、何を言う間もなく酸素を貪る。走った距離以上に、あの男のプレッシャーは異質だった。 数分後、ようやく落ち着いた俺は顔を上げテニアへと声をかける。 「はあ……驚いた。なあ、あれってやっぱり……?」 「通り魔……だよね? 怖かったぁ」 「ああ……あれは無理だ。警察か、ギンガナムに任せよう」 携帯を取り出し、その二者へと連絡しようと思った。 コール音。忙しいのか、警察に中々繋がらない。 「でもさ、やっぱり統夜がいてくれて良かったよ。アタシ一人だけだったら動けなかったもん」 「はは……守るって言っておいて、逃げ出したんじゃカッコ付かないけどな」 「そんなことないよ。統夜はいつもアタシを守ってくれてるよ。そうだよ、いつも……私を……守って……」 お、繋がった。 テニアとの話をいったん中断し、係員にさっきの状況を説明する。 時間、場所、状況をできるだけ詳しく説明する。パトカーが急行してくれるそうだ。 俺達も迎えに行こうかと言われたが、ギンガナムを呼べばいいだろう。丁重に断った。 通話を切った。次はギンガナムに連絡だ、と冗談めかしてテニアに振り向き、笑いかける。、 その瞬間、俺の目に飛び込んできたのは。 そこには、血塗れで倒れ伏している、テニア、だ―― 「な……ッ!?」 「おやおや、間に合わなかったか。まあ、人命救助は俺の仕事じゃねえしなあ」 状況を掴めない俺の耳に、第三者の声が飛び込んでくる。 はっと振り向く。そこにいたのは先程の通り魔らしき男だった。 「お前が……お前がやったのか!?」 「あん? そこのお嬢ちゃんのことかい? 馬鹿言うな、俺じゃねえ」 男はにやにや笑いながらゆっくり近づいてくる。 その眼は堪え切れない愉悦が滲み出て、今にも吹き出しそうにも見えた。 「俺は最近この辺りで多発している通り魔事件を追ってたんだが……いやはや、驚いたねえ。 まさか犯人がこんなガキだったなんてよぉ」 ガキ……? 何言ってるんだ、こいつは。 それより、そうだ。救急車を呼ばないと。テニアが死んでしまう。 いや、先に警察か? こいつを捕まえてもらわなきゃ……ギンガナムもだ。 携帯を取り出そうと、手を離す。 ガシャン。 何かが、手から落ちた? 「お前さん、そんなわかりやすい証拠持ってて人様に責任を押し付けちゃいけねえや。 お前なんだろ――そのお嬢ちゃんを、斬り殺したのはよ?」 男の声が耳に抜ける。 視線を下ろす。 俺の手から滑り落ちたモノ、それは―― 血に濡れた、抜き身の刃だった。 誰の血だ……? 考えるまでもない。テニアの血だ。 やったのは誰だ? 目の前の男……違う。俺だ。 俺が……テニアを……斬った……のか? 「あ……ああ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁッ!」 「ク……ククク……クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!」 視界が、赤い鮮血で満たされる。もう我慢できないと言わんばかりの男の高笑いだけが耳に残って――。 □ ――う……? ――ここは……? ――モニターは……一応、生きてる…… ――ヴァイサーガ……まだ、動けるか……? ――DFS……再起動……無理、か…… ――ぐっ……ごほっ……!? ――俺の身体……くそっ……力が……入らない…… ――ガウルンを斬ったときの……アレか……一発で……このザマか…… ――静かだ……まるで……世界に俺一人しか……いないみたいだ…… ――さっきのは……夢、か…… ――死に際に……あんな夢を、見るなんて……ガウルンの呪いか……? ――――――ふざけるな。あんたはもう死んだんだ。引っこんでろよ。 ――俺はまだ……まだ、諦めちゃいないッ……! ――取り戻すんだ……どんな犠牲を払っても。どれだけ時間がかかっても。 ――あんな夢じゃない……本当の、本物の『彼女』を……! ――こんなところで……立ち止まっていられないんだ……ッ! まだ、抗うのですの? ――当たり前だ。 あなたが殺したんですのよ? その人を生き返らせるために、他の人を殺すつもりですの? ――そうだよ。何が悪い。 悪いと、心の中で自覚しているから……あの夢の結末は、ああなったんですの。 でなければ、あのまま穏やかな夢に包まれて……あなたは逝けたはずですの。 ――結構だ。俺が欲しいのは夢なんかじゃない。現実だ。現実に生きているテニアだ。 あなたが見た夢は、ある意味ではあなたの現実。あなたはもう、以前の生活になど戻れはしませんの。 ――うるさい。わかってる。そんなことはどうでもいい。 あなたはもうその手を血に染めている。取り返しがつかないほど尊い命を奪っている。 ――うるさいって言ってるだろ! どうだっていいんだ……そんなことはッ! ――他の奴らなんてどうだっていい……! 俺と、あいつさえいれば……他には何も要らないんだ! そのために、まだ生きて抗うと言いますの? ――そうだ……。 俺の命がまだ尽きていないのなら……選ぶ道は一つしかない。 ――戦って、戦って、戦って……最後の一人になって、テニアを取り戻す! 何も変わらない、それが俺の生きる道なんだ! ――欲しいものは奪う。邪魔をするなら斬り伏せて進む。『あいつ』みたいに、躊躇わないで…… でも、あなたにはもう戦う力はない。 ――わからないさ。ヴァイサーガはまだ……俺の剣はまだ、折れちゃいない……! 辛うじて朽ちてはいない、というだけですの。もう自力で起き上がる事だって出来はしませんの。 ――うるさいな……! お前、一体何なんだよ。邪魔をしに来たのなら消えろ! 邪魔だなんて。むしろ、お手伝いして差し上げようかと思っているくらいですの。 ――お前、あの主催者の一人だろう。名前は……なんて言ったっけか。 私のことはどうでもいいですの。私は……自分自身になれなかった存在…… だからこそ、あなたに。絶望の底にいてもなお諦めないあなたに、先へ進んで欲しい…… ――主催者が俺を助けるって言うのか? 私はもう、正しくアインストとは言えない存在……いずれ消えゆく、残骸でしかありませんの。 でもそれはあなたも同じ……あなたも、その機体も。このままでは遠からず朽ちて果てる。 ――じゃあ……どうすればいいんだ。手伝うって……新しい機体でもくれるのか? そんなことをしてもあなた自身は助かりませんの。 私にできるのは……そう。あなたを、『こちら』へと誘うことだけ……。 ――お前らの仲間になれってことか? あの蒼い機体に乗ってた奴みたいに。 ちょっと……違いますの。アインストになるだけでは、あなたの願いを遂げることはできませんの。 私の主ならあなたの願いを叶えることはたしかにできますの。でもそれは、あくまで条件付きのこと。 エクセレンのようにアインストとなって蘇生させることは出来ても、眷族の枷から逃れることはできない…… ――テニアを生き返らせても、お前らに首輪をつけられたままってことか。 はい……。でも、あなたが新しいアインストになれば、話は別…… ――新しい、アインスト? この場に満ちる生命の欠片……デビルガンダム、そしてあの新たに自我に目覚めた命の破片。 これを用い、アインストとなったあなたが更なる進化を行いますの。 そうすることであなたは属性の変化によりアインストの支配から逃れ、また新たな命の創造を行う力を手に入れる…… ――新たな命の……創造。 もちろん容易く行えることではありませんの。 生まれたての命が、新たな命を創生する……途方もない力が必要になりますの。 それこそ……私の主が持っている力、全てを奪い取らなければ……足りないほどの。 ――お前の主……いいのか? それは裏切りじゃないのかよ。 私はもう、あの方の望む種子ではない……なら、最期くらい。望むままに生きてみたいと……あなたを見て、思いましたの。 たとえそれが……あの方に対する、反逆であっても。 ――断ったら、どうなる? どうも……しませんの。私は消えて、あなたも果てる。 あなたの願いもまた、どこへもたどりつけず…… ――お前は、どうして俺にそこまでしてくれるんだ? さあ……どうしてでしょう。 今のあなたは似ている……そんな気がしますの。かつて、私が焦がれた……あの方に。 だから、そのあなたの行く末を見極めたいと……そう思ったからかも、知れませんの。 ――俺の行く末、か。……わかった。お前の話、乗るよ。 ――どうせ、他に選べる道はなさそうだしな。 信じて……くださいますの? 私は……自分で言うのも何ですけど……怪しさ満点だと……思ったりも、致しますのよ? ――いいさ。そんな奴と手を組むのは慣れてる。 ――あの夢……お前が見せてくれたんだろ? 最後はああなっちゃったけど……それでも、いい夢だった。 ――お前に借りが一つ出来てるってことだ。なら、ここで返しておく。 あなた……本当に、面白い方ですのね。 ――ほっといてくれ。さあ、何でもいいからやってくれよ。時間がないんだろ? はい……契約、成立……ですの。 では、名残惜しいですが……ここで、お別れですの。 あなたは誰からも祝福されることのない旅路を選んだ……だからこそ、私くらいは幸運を祈らせていただきますの。 ――ありがとう……そうだ。お前、名前はなんて言うんだ? え? ――最期ってことは、結果がどうあれお前は消えるんだろ? だったら俺も……俺くらいは、お前のことを覚えておいてやるさ。 一度、自己紹介したはずですけど。女の子の名前を忘れるなんて、マナー違反ですのよ? ――あれは……あれだ、大勢に向けてだろ? 今は俺とお前だけなんだ。改めてってことでさ。 ――俺は統夜……紫雲統夜。お前は? 私…… 私の名前は…… ■■■■■■――。 →楽園からの追放者(2)
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ワールド:ダンジョンW 属性:《開拓者》/《人狼》 サイズ3/打撃力1/2000/3000 【コールコスト】君の手札1枚を裏向きでレストし、新たなエリアとして君のエリアの前に置き、ゲージ2を払う。 ■対抗【起】相手のターン中、君の場のカード1枚を破壊する。破壊したら、1枚カードを引き、ドロップのカード1枚を手札に加え、手札からモンスター1体をコールコストを払ってコールし、君の場のモンスター1体の打撃力をこのターン中+1 ■このカードが破壊された時、このカードとドロップゾーンのカード7枚をデッキに戻してよい。そうしたらこのターン中、君の場のモンスターは粘着移動(このカードの前にモンスターがいないなら、このカードは相手に攻撃できる。このカードが攻撃した時、相手の空いているエリアに置き、置いたエリアにこのカードがあるなら場のこのカードが粘着移動を持つ間そのエリアは制圧エリアになる。粘着移動を失った場合、そのモンスターは影を得て、そのモンスターの影では破壊されない。)を得て、君の場のモンスターが破壊された時1枚カードを引く。 FT 俺の脱皮ってそんなに気持ち悪いかなあ
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『追放ゆっくり -野生ゆっくり- 前編』 13KB 観察 自業自得 追放 番い 群れ 自然界 人間なし 長編に挑戦 「むきゅ、ふたりともいるかしら?」 ある山では、小規模なゆっくりの群れがいくつも存在していた。 その中の山腹よりやや上に位置する一つの群れ。 さらにその群れの、やや急な傾斜の地面を掘って作られた巣の一つ。 そこに一匹の成体ぱちゅりーが入って来た。 先代の親ぱちゅりーから役目を引き継いだ、この群れの長だ。 「ゆっくりしていってね!いらっしゃいおさ!」 「ゆっくりしていってね!いらっしゃいだぜおさ!」 「「ゆっくりしていってね!」」 巣の中からゆっくり特有の挨拶で出迎えたのは、成体ゆっくりのまりさとれいむの番、 子ゆっくりの長女まりさと次女れいむという構成のゆっくり一家だった。 親れいむの方は、顔のパーツが上に寄り、下部が少々膨れている。 別にでいぶになりかけというわけでは無く、この親れいむは動物型妊娠の初期段階だった。 「ゆっくりしていってね……むきゅぅ」 元気一杯の一家の挨拶に対して、長ぱちゅりーは気怠げな挨拶を返し、 加えて挨拶の後、溜息まで付いた。そんなゆっくりしていないぱちゅりーの様子を見て 一家はゆ?と頭を傾げた。 「むきゅ、ふたりともどうしておちびちゃんをまたつくったのかしら?」 ぱちゅりーがそう聞いてきた。まるで子供を作る事がゆっくりできない事のような 言い方をするぱちゅりーに一家は困惑する。 「ゆ?おさはなにいってるんだぜ?おちびはゆっくりできるんだぜ?」 「そうだよ!たくさんおちびちゃんがいればもっとゆっくりできるよ!」 「おかあさん!かぞくがふえたらいっぱいゆっくりしようね!」 「まりさもおねえさんになるんだよ!いもうととゆっくりするよ!」 好き勝手に能天気な事をいう一家。それを聞き終えたぱちゅりーは再びため息をついた。 「むきゅぅ……おちびちゃんはふたりまでというおきてをわすれたの?」 それは事実だ。この群れには他の群れと同じようないくつかの掟があるが、その中の一つに 「ふうふがそだてられるおちびちゃんはふたりまで」という掟があった。 通常、ゆっくりの動物型妊娠で生まれる子供は大体一~三匹。 もしも一度の出産で三匹以上生まれてしまった場合は、 産まれた直後に間引きする事になる。直接殺すと死臭が付くので、 間引きする赤ゆっくりを、群れから離れた「永遠のゆっくりプレイス」に置き去りにするのだ。 厳しい掟に見えるが、これを守れないゆっくりは群れから問答無用で追放される。 この一家は、最初の出産で運良く二匹だけ産んでいた。 掟を破ったという自覚はあるのか、まりさとれいむの顔が少し曇る。 「ゆぅ、おきてはしってるよ。でもどうしてもあたらしいおちびちゃんがほしかったんだよ!」 「これはふたりできめたことなんだぜ!おちびがふえてもごはんは まりさががんばってあつめるからゆるしてほしいんだぜ!」 暗い気分を断ち切るようにまりさが勢い良く解決案を出すが、 なんの妥協にもなっていない案にぱちゅりーは呆れた。 掟を破ったゆっくりの取る餌の量が増える事を、他のゆっくりが納得するわけがない。 「むきゅ、そういうもんだいじゃないわ。とにかくおきてをやぶったゆっくりを むれにおいておくわけにはいかないのよ。このままだとあなたたちには むれからでていってもらうことになるわ」 「「「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉ!?」」」」 一家の声が聞き苦しくハモった。 「ゆーっ!おかしいんだぜ!どうしてまりさたちがでていかなきゃならないんだぜ!」 「ゆっ!そうだよ!れいむはにんっしんっちゅうなんだよ!おうちからうごけないんだよ!」 「いやだよぉぉぉ!れいむおうちにいたいよぉぉぉ!」 「おうちにはまりさのたからものがいっぱいあるんだよぉぉぉ!はなれたくないよぉぉぉ!」 どうしても何も、掟を破ったからだと今言っただろうと、ぱちゅりーは言おうとしたが止めた。 ついにこの群れからもこのゆっくりが出てしまった。いくら言葉を重ねても無駄だと思ったが、 一応、唯一の解決策は出してやる。結果は見えていたが。 「むきゅ、そんなにむれにいたいなら、ひとつだけほうほうがあるわ」 ぱちゅりーがそう言った途端、それまで揉み上げをぴこぴこしたり おさげをブンブン振り回したり滝のような涙を流していた一家は、 一斉にパァァァァァと顔を輝かせた。 期待に満ちたキラキラした目でぱちゅりーを見つめている。 それを見てもぱちゅりーは特に何も思わず、解決案を口に出す。 「かんたんなことよ。おちびちゃんがおなかにいるうちにおろしてしまえばいいの」 「「「「…………ゆ?」」」」 キラキラした表情を保ったまま、一家は全員フリーズした。 「「「「どぼっじでっぞんなごどっいうのぉぉぉっ!?」」」」 フリーズが解けた一家は、再び一斉にハモると、さっきよりも聞き苦しく 泣き喚き始めた。ゆっくりごろしはゆっくりできないやら、 こんなむれゆっくりできないやら、おさはゲスだと言う声まで聞こえてくる。 「むきゅ、ふえすぎたおちびちゃんをえいえんにゆっくりさせても、 ゆっくりごろしにはならないわ。ほかのむれにもおなじおきてがあるのよ」 しかし、ぱちゅりーがそう言っても一家は泣き喚くのを一向に止めなかった。 やがて親まりさが一歩跳ね出し、涙ながらに訴えかけてくる。 「お、おがじいんだぜっ!いぐらおきでだがらっで、おぢびを ごろじでいいはずがないのぜっ!おざもよくがんがえるんだぜ! むれのおぎでよりもだいせづな、ゆっぐりできるごどがあるんじゃないのかぜっ!? まりざは、まりざはっ!かげがえのないおぢびをぜっだいまもるんだぜっ!」 最後の方にはキリッとした顔になり、親まりさが気高い決意をぱちゅりーに伝え終えた。 親れいむの方はゆわぁぁぁ、と揉み上げを震わせながら感激して夫を見つめている。 子供たちも堂々とした親まりさの姿を見て目を潤ませていた。 「むきゅ、わかったわ。おきてよりもおちびちゃんがだいじなら、あなたたちにはでていってもらうわ。 でも、いますぐでていけというつもりはないわ。きげんはれいむがしゅっさんっするまでよ。 にんっしんっちゅうにおろせば、むれにいていいことにかわりはないから、 はやいうちにけつっだんっすることね。むきゅ」 親まりさの気高い決意は、単なる拒否意見としてあっさりぱちゅりーに受け入れられた。 長としての最後通告を伝え終えたぱちゅりーは、くるりと振り返るとそのまま巣から出ていく。 後には、すでに餡子の中では、改心した長がおちびちゃんを産む事を認める流れになっていた キリッとした顔のままの親まりさと、同じく感動したままの家族が残された。 ゆっくりには植物型妊娠と動物型妊娠があるが、それぞれに合わせた堕胎がある。 植物型妊娠の場合は簡単だ。茎を折るか、産まれる前に摘み取ってしまえばいいだけである。 だが、ある理由で個体数の上限が決まっている群れでは、子供が産まれ過ぎる植物型妊娠は廃れて久しい。 そして動物型妊娠の場合は、大きく二つの方法がある。 一つはまむまむに枝を突っ込み、胎内の赤ゆっくりを攪拌する方法。 ただし、この方法は傷ついたまむまむが二度と使えなくなる上に、母体に凄まじい激痛が走る。 もう一つは成体ゆっくりが妊娠中のゆっくりの下部で飛び跳ねて、 中の赤ゆっくりを押し潰す方法。この方法はまむまむにはそれほど損傷はないが、 衝撃で口やあにゃるからあんこが噴き出す上に、やはり母体に凄まじい激痛が走る。 当然ゆっくりがやろうと思って簡単に出来る事でも無く、 動物型妊娠の堕胎は、掟を破った罰も兼ねていた。 親まりさはそんな恐ろしい事をれいむにするつもりは無かったし、 親れいむもそんな恐ろしい事をお腹の中の子供にさせるつもりは無かった。 もちろん痛いのはゆっくりできないから嫌だという理由もあったが。 そして、ただゆっくりし続けて二週間が経過した。 「うっ、うばれるっ!れいぶのあがぢゃんゆっぐりうまれるよっ!」 「がんばるんだぜれいむっ!かわいいあかちゃんがゆっくりみえてきたんだぜっ!」 「ゆぅぅぅん!れいむのいもうとゆっくりしてるよぉぉぉ!」 「ゆっ!ゆっ!まりさのいもうとゆっくりうまれてね!」 早朝、巣の中では、でいぶと見紛う程、下部がでっぷりとした親れいむが出産中だった。 まむまむからは「ゆっきゅりうみゃりぇりゅよ!」とばかりにキリっとした顔の赤れいむが覗いでいる。 やがてスポーン!とまむまむから次々と赤ゆっくりが飛び出してきた。 親まりさは慌てる事無く、構えていた帽子でその全てを受け止める。 「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!!」」」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 帽子からよちよちと這い出て来て、キリッとしながら元気一杯の挨拶をする赤ゆっくりに、 一家も同じく満面の笑みを浮かべて元気一杯の挨拶を返す。 「ゆ、ゆわぁぁぁ~~~、れいむのおちびちゃんすごくゆっくりしてるよぉぉぉ!」 「すごくゆっくりしてるんだぜ!まりさもまりさもれいむも、まりさとれいむにそっくりなんだぜ!」 「ゆ、ゆっくり!ゆっくりー!ゆっくりできるよぉぉぉ!」 「まりさがおねえちゃんだよっ!これからいっぱいゆっくりしようねっ!」 「ゆ~ゆ~」 「ゆっ!ゆっ!」 「ゆー!」 家族が増えた喜びに、最高のゆっくりを感じる一家。長との約束など、すでに忘れている。 それぞれ赤ゆっくりとすりすりしたり、ぺろぺろしたりしてスキンシップを取っていると、 一家の巣の中に、ゆっくりが入って来た。こちらは一家との約束を忘れていなかった長ぱちゅりーである。 さらに巣の入り口では普通の成体ゆっくりよりも、一回り大きなまりさとみょんも待機している。 まりさは餌場を管理、ようむは群れの警備を管理する幹部ゆっくりだ。 どの顔も、皆貼り付けたような無表情だった。 「むきゅ、おさとしてのはんだんをつたえにきたわ。おきてをやぶって おちびちゃんを、おろさずにうんだ、あなたたちいっかをむれからついっほうっするわ。 おちびちゃんをおろすゆうよを、たくさんあたえたのにおちびちゃんをうんだことから、 すでにでていくじゅんびがととのっているとはんだんして、いますぐでていってもらうわ」 ぱちゅりーが一方的に伝え終えて巣の外に出ると、今度はまりさが入って来た。 「こんごまりさたちいっかをかりばでみつけたらせいっさいっのたいしょうになるからね。 おんじょうで、すのなかのごはんさんはもっていってもいいよ。ゆっくりりかいしてね」 同じようにまりさが巣の外に出ると、最後に入ってきたのはみょんだ。 「ついっほうっばしょまではみょんとまりさがあんないするみょん。 もしもそこからこのむれにちかいばしょでまりさたちをみたら、 おなじくせいっさいっのたいしょうになるみょん。さぁ、ついてくるみょん。」 入れ替わり立ち代わりで入って来たゆっくり達の、 あまりにも一方的な言葉に、一家の思考は全く付いて行かなかった。 かろうじて立ち直った親まりさが反論しようとしたが、まりさとみょんという 大柄な成体ゆっくりの、あまりにもゆっくりしていない雰囲気が恐ろしく、 口からは「ゆ……あ……」という掠れた声しか出てこない。 親まりさの餡子の中では、まとまりの無い考えが回り続けている。 どうしてこんなことに。群れから追い出される。家にはもう住めない。 産まれたばかりの子供をどうする。狩り場でご飯も取れない。そうだご飯! 親まりさはゆっくりせずに巣の奥の食料置き場に飛びつくように向かい、 残っている食料を帽子に詰め込んでいく。と言っても、妊娠中の親れいむが 胎内の赤ゆっくりの分まで栄養を必要としたため、それほど残ってはいない。 頻繁に食事を必要とする赤ゆっくりも含めた七匹の家族では一日と持たないだろう。 番の無様な様子を、親れいむは未だ現実が理解できずに虚脱した顔で眺めている。 子ゆっくり達は、幹部ゆっくりの恐ろしさに震えながらおそろしーしーを漏らしているし、 赤ゆっくりは今のゆっくり出来ない雰囲気は感じるのか、 やはり震えながら親れいむの肌や揉み上げに顔を埋めるようにすがりついていた。 子供が産まれた直後のゆっくりした光景など見る影も無い。 「……おわったかみょん?ならゆっくりしないでいくみょん」 親まりさが食料を詰め終わるのを待っていたみょんが一家を促す。 普通なら、子まりさ辺りが自分の宝物を持って行くとごねる所だが、 所詮子ゆっくりが強く出られるのは自分の家族だけである。 さらにこの一家は、今までただゆっくり過ごして来ただけの平和的な「ゆっくりらしいゆっくり」だ。 一家に冷たい視線を向けるみょんがいる今、誰も何も言えず、 親まりさは帽子の中に食料を、親れいむは頭に赤ゆっくりを、子ゆっくりは何も持ち出せないまま、 一家は悄然とした面持ちで、ずーりずーりとたくさんの思い出が詰まった家から出ていった。 外では、早朝という事もあり、群れのゆっくりの大半が巣から出て、追放される一家を見ていた。 当然見送りに出たのではない。どのゆっくりも、一家と仲が良かったゆっくりすらも、 暴力こそ振るわないが、掟を破った一家を見下した視線を送っている。 「このむれからもついっほうっゆっくりがでたよ……」 「おちびちゃんがふたりいるのにまたうんだんだって……」 「ふたりもいるならそれでまんぞくすればいいのにね……」 「おきてやぶりはついっほうっされるのはとうっぜんっだよ……」 そこかしこからゆっくり達の呟く声が聞こえてくる。 (みんなおかしいんだぜ……おちびちゃんはいっぱいいるほうがゆっくりできるんだぜ…… なんでそんなかんたんなことがわからないんだぜ……) 親まりさはそう反論したかった。しかし前をみょん、後ろにまりさと挟まれて、 一家は脅えながら罪人のように連行されてる今、ただ俯きがちにずーりずーりする事しかできない。 そして群れの外へと連れ出されようとする一家を尻目に、長ぱちゅりーが群れのゆっくりに声をかける。 「さあみんな、いつまでもみてないで、それぞれのやくめにもどりなさい。 にんげんさんにおさめるさんさいさんも、まだたりないのよ」 群れのゆっくり達は口々に「ゆっくりりかいしたよ!」と返し、 各々自分の巣に戻ったり、餌場へと狩りに向かい始めた。 みょんの先導で、一家は今まで来た事も無い、群れからも群れの餌場から離れた場所へと連れて来られた。 周囲の木々に付いた葉は、人間ですら届かない高さにあり、その根も完全に土中に埋まっている。 平坦な地面には、ゆっくりが苦くて固いと感じる草や落ち葉があるだけだ。 ゆっくりが巣を作って暮らしていくには圧倒的に不向きな場所だった。 「あんないはここまでだみょん。まりさたちがみえなくなるまでみょんたちがここでみているみょん。 くれぐれもせいっさいっのじょうけんをわすれないことだみょん。 ほら、ゆっくりしないでいくんだみょん」 先頭のみょんが立ち止まり振り返ると、一家に冷たく声をかけ頭を先方へと示す。 当然群れからさらに離れる方向である。後ろのまりさも何も言わずただ一家を見ているだけだ。 心のどこかで、ただ脅かされるだけで、本当は群れへと戻れるのではないかと思っていた親まりさは、 その望みが完全に絶たれた事を理解した。 同時にここはあまりゆっくり出来ない場所だという事も理解すると、 不安がる家族を宥めて、みょんが指し示す方向へとぽすぽすと頼りなく跳ね始めた。 徐々に小さくなっていく一家を見ていたまりさが独り言のように呟く。 「ざんねんだよ……あのまりさとはかりばでなんどかはなしたけど とてもゆっくりしたゆっくりだったのに、こんなことになるなんて……」 「まりさもわかっているはずだみょん。ゆっくりすることしかかんがえてないゆっくりなんて むれをきけんにさらすだけだみょん。とくにおちびちゃんをたくさんつくりたがるゆっくりなんて れみりあやふらんをむれにかかえるようなものだみょん」 「そうだね……ふえすぎたおちびちゃんが、にんげんさんにかくしきれるわけないからね……」 「そういうことだみょん。ほら、もうむれにもどるみょん」 みょんがそう話を打ち切ると、跳ねながら群れへと戻って行く。 まりさは溜息を一つ付くと、みょんの後に続いて跳ねる。 まりさは途中で一度だけ振り返った。一家の姿はもう見えなかった。 続く 挿絵:○○あき
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ヴィーダ(VIDA)の対応 TEL:O3-5791-2141 問い合わせフォーム:http //www.vida-web.com/04inquiry/index.html メール:info@vida44.co.jp <対応の要旨> 以下に報告文を載せてください。(他人の書き込みのコピペでも大丈夫) 231 :実況厳禁@名無しの格闘家 :2007/03/05(月) 13 40 24 ID 43t7OEgX0 VIDA 電凸 ★格闘技のK1のスポンサーの事でお話を伺いたいので担当の方を。 電女、代わってくれません。 ★秋山選手を個人サポートしている事は、会社にとって利益かそうでないか、 どのようにお考えですか? ☆秋山選手個人のことですので分かりかねます。 ★いえ、個人の事ではなく秋山選手をサポートしている御社のお考えをお伺いしたい。 ☆秋山選手のマネージメントをしている訳ではないんで何も分かりません。 ★現在、無期限追放されている選手であって、 復帰するかしないか分からない選手のサポートを続けるのですか? ☆秋山選手については現在は何も分からない状態ですので、 こちらも何も決めていません。将来についても分かりません。 ■ヴィーダ(VIDA) O3-5791-2141 http //www.vida-web.com/04inquiry/index.html info@vida44.co.jp 232 :実況厳禁@名無しの格闘家 :2007/03/05(月) 13 51 22 ID 43t7OEgX0 VIDA 電話していると温厚な漏れでも腹が立ってくる。
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登録日:2024/01/28 Sun 21 00 00 更新日:2024/05/14 Tue 19 30 55NEW! 所要時間:約5分で読めます。 ▽タグ一覧 24年冬アニメ アニメ テレビ朝日 小説 小説家になろう 最強タンク 最強タンクの迷宮攻略 木嶋隆太 漫画 異世界 追放モノ 「最強タンク」の冒険譚、ここに開幕! 『最強タンクの迷宮攻略~体力9999のレアスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される~』は木嶋隆太によるライトノベル作品である。イラストは「さんど」。 「小説家になろう」にて2018年7月13日から連載されている。 書籍版はヒーロー文庫より連載。既刊6巻。 ハッシュタグなどでは「#最強タンク」を推奨している。 〇目次 【概要】 【あらすじ】 【キャラクター】(主人公) (主要人物) 【用語】 【テレビアニメ版】(主題歌) 【概要】 小説家になろう初投稿時は、「体力9999のSSRスキル持ちタンク、勇者パーティーを追放される」という題名であったが、書籍版で連載されるに際して、上述のタイトルに改題された。 タイトルにある通り、勇者パーティーを追放された主人公だが、その後、自身の隠された能力(スキル)に気づき、仲間と共に故郷の街の発展と妹のために奮闘するストーリーである。 追放系作品は近年のなろう系作品でも幅を利かせているが、タンクというどちらかといえば盾を使い仲間を守るサポート役になりがちな役割にスポットを当て、彼の隠された能力とメンバーの連携を使い、強敵モンスターの討伐やダンジョン攻略につなげていくのが大まかな展開である。 同じ盾をメインウェポンとして使い、追放系という共通項から「盾の勇者の成り上がり」と重ねる声もある。 メディアミックスとしては、如月命によるコミカライズが『マンガUP!』にて2019年5月4日より連載されている。既刊10巻。 また、2024年1月よりテレビアニメが放送されている。 【あらすじ】 歴代最強外皮【9999】の数値を持つタンクのルードは、勇者パーティーの盾役として迷宮攻略に挑んでいた。 それはどんな願いも叶えるとされる秘宝を見つけ出し、 最愛の妹・マニシアの病気を治すためー。 しかし、勇者の横暴によりルードはパーティーを追放されてしまう。 その理由はルードの“使えないスキル”とされてきたが・・・・。 故郷への期間中、助けた少女により、 ルードの未知なるスキルが判明。 それはとてつもない強力なスキルだった! 【最高値の外皮9999】と【唯一無二のスキル】を駆使した 最強のタンク・ルードの冒険譚 ここに開幕! (アニメ公式HPより引用) 【キャラクター】 (主人公) ルード CV 笠間淳 本作の主人公。 冒険者で巨大な盾でパーティーを攻撃から守るいわゆる「タンク」役を担っている。 学生だった頃は成績優秀で騎士になれると思われていたが、妹の病気を治す為にダンジョンでの探索をしている。 冒険者としてのランクはFであるが、これはランクの更新をさぼっていたためである。何も知らない冒険者がそのことを知らずマウントを取った場合、だいたいが彼の実力を目の当たりにして驚愕する結果になる。本来ならばSランク相当である。 彼の持つスキルは敵の注目を集める「挑発」と状態異常を無効化する「健康体」の他、パーティー内の誰かが受けた攻撃を自身の外皮の消耗で肩代わりする代わりにパーティーメンバーのステータスアップに寄与する「犠牲の盾」、戦闘で外皮が削られ分だけ威力がアップする攻撃スキル「生命変換」という、集団戦においては強力なスキルを有している。 しかし、こうしたスキルの属性に気づいていないこともあり、当初いた勇者パーティーのリーダーであるキグラスから足手まといとして、戦力外通告を受け、追放されることになった。 追放後、自身の故郷に戻った際、自身のスキルの本当の意味を知り、改めて冒険者として再起することになる。 (主要人物) ニン CV 本渡楓 教会の聖女で、ルードに好意を抱いている。彼の実力も把握しており、その実力から、彼を聖女の騎士としてスカウトしようとしたが、ルードからは固辞されてしまっている。 公爵家出身ということもあり、高い身分にいるのだが、自身は人当たりのいい気さくな性格。 ルードと共に勇者パーティーの所属しており、回復魔法を得意としていた。しかし、上述のキグラスによるルードの追放案件が出た際には、一人彼をかばい、反対姿勢を見せたが押し切られる。 しかし、ルードがいなくなり、パーティーの統制も取れず、ダンジョンでの戦闘で敗北都築の結果に愛想をつかし、キグラスに見切りをつけてパーティーを脱退。 それ以降はルードの助けになるために、追いかけるように彼の故郷に押し掛けてくることになる。 ルナ CV 市ノ瀬加那 ルードが追放された後、商人の護衛をしていた中で出会った少女。 銀髪の髪と青色の瞳が美しい幻想的な雰囲気をまとっている。 その正体はこの世界では違法とされる戦闘用ホムンクルス。 本来、戦闘用ホムンクルスは違法で発覚した際は処分の対象になってしまうのだが、ルードに連れられて、故郷の家で居候することになる。 戦闘用ホムンクルスということもあって、攻撃魔法に長けているのと、「鑑定」スキルも持っている。これでルードのスキルのことについても分かることができた。 マニシア CV 小倉唯 ルードの妹。黒髪に可愛らしい容姿、頭頂部に1本生えているアホ毛が特徴である。 ちなみにこのアホ毛は感情の変化によって自在に揺れることが出来る。 生まれつき身体が弱く、家にいることが多い。病気がちな自身のために、騎士になる未来もあった兄が冒険者になり、必死に秘宝を手に入れようとしているのを見て、負い目に感じているところもある。 リリア CV 大橋彩香 勇者パーティーに所属するギルド職員。 素早い動きを得意とするアタッカー。さっぱりとした性格で頼りになる姉御肌なキャラ。 リリィ CV 優木かな リリアの双子の妹。さばさばした性格の姉と異なり、内気な性格。だが芯は強い。迷宮内を移動することが出来るスキル:「ダンジョンウォーク」の行使が可能である。 マリウス CV 岡本信彦 アバンシア迷宮の守護者である刀使い。 性格は子供っぽく、無邪気な性格であるが、剣の腕は一流。一撃必殺の居合で相手全てを切り裂いてしまうという強力な能力を有する。 アモン CV 久野美咲 ケイルド迷宮の守護者。 扇子を武器として使い、強力な風魔法で、悉く冒険者たちを一掃して来た強者である。 見た目は可愛らしい少女だが、実年齢は300歳である。 キグラス CV 増田俊樹 ルードを追放した勇者。 外皮を消費する代わりに身体能力を強化する「ライフバースト」のスキルを持っている。 戦闘で足を引っ張っているとみてルードの代わりのメンバーを立て、彼を追放した。 しかし、実際は自身のスキルをルードの「犠牲の盾」のスキルにより肩代わりしてもらっていたため、彼がいなくなった途端、その恩恵を得られなくなり、追放する前以上に戦闘で敗北を繰り返すことになる。 自身の傲慢な性格も相まって、ニンを始めとする他のパーティーメンバーから見限られてしまい、パーティーは解散することになった。 なろう系作品でよくある「ざまあ枠」を担ってしまった残念なキャラ。 とはいえ、『主人公憎しのあまり本来倒すべき魔王に魂を売る』『”勇者”の肩書を坐座に倫理観のない行動に出て一般市民に迷惑をかける』『好色の度が過ぎて相手の思考お構いなしのハーレムを築く』といった勇者以前に人間として完全にダメな一線は超えてはいない。 ルードを追放したのも『外皮とライフブーストの詳しいメカニズムが分かっていなかったため、他の冒険者チームの助言も吟味してルードの追放に踏み切ってしまった』という仕方のない部分もある。 終盤では迷宮の秘宝がルードの妹の難病を治すのに必要と知り迷宮攻略を彼に託して自分なりのけじめをつける、アニメ最終話ではアバンシアの街に侵攻する魔物の大軍を食い止める防衛戦に参戦し奮戦する様子も描かれるなど、この手のかませ勇者のなかでは比較的扱いはマシなほう。 【用語】 〇外皮 本作品の人間は「外皮」と呼ばれるオーラみたいなものをまとっており、敵を受けた際はこの外皮を消費することによって、ケガなどの負傷を防いでいるとされる。 この外皮の耐久値が0になると消滅する仕組みとなっている。 そうなると現実世界の人間同様となり、攻撃を受ければ負傷するし、死に至ることになる。 〇クラン 冒険者で構成された団体で、国家による認定もされている。冒険者を束ねて治安維持にも当たっており、街にとっては重要な存在になる。 【テレビアニメ版】 2024年1月~3月にかけてテレビ朝日などで放送されている。 制作会社はSTUDIO POLON (主題歌) OP:「Brave」 いれいすによるオープニングテーマ ED:「夢の中で」 いれいすによるエンディングテーマ。 追記修正はタンクとして仲間を守り抜くことが出来たときにお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 広告でよく見るやつ -- 名無しさん (2024-01-28 22 42 20) 主人公がタンクに見えんのよなぁ。バッファー、アタッカーと役割が多すぎるしむしろそっちがメインに思える -- 名無しさん (2024-01-28 23 31 52) 「ざまあ枠」にも再起のチャンスが与えられる優しい世界 -- 名無しさん (2024-01-29 00 02 17) 言っちゃなんだが同じ枠でやってた前番組の主人公よりもこっちの主人公の方が好感が持てるんだよな… -- 名無しさん (2024-01-29 00 58 37) カオル殿が異常なだけだから… -- 名無しさん (2024-01-29 06 07 17) こいうの見るたびに追放されたのは妥当じゃね?って思うわ 現状貢献できず、追放されなけれれば覚醒イベント起きずに無能のままなんだろうし -- 名無しさん (2024-01-29 13 44 30) パーティ内に入れておくには正体不明だったスキルのリスクがでかすぎるのは確かだね -- 名無しさん (2024-01-29 16 09 25) 項目だけしか知らないが主人公、更新サボらず似合った等級名乗ってられれば色々苦労背負わないんじゃ?何故大切な部分サボった… -- 名無しさん (2024-01-29 18 43 41) 重要な理由はないからランク低いやつが実はすげーって流れをやりたかっただけだと思う -- 名無しさん (2024-01-30 15 01 15) 主人公に俺TUEEEさせるためにいろいろ不自然になってるんだよね。追放系ってだいたいそんな感じだけど -- 名無しさん (2024-01-30 15 20 58) アニメ版EDの序盤の『【画面左下に向かってルートが歩いて斜め移動→一枚絵表示】を3セット繰り返す』は「もうちょっとなんかこう……あるだろ!」と本気で思いました。 -- 名無しさん (2024-02-04 19 25 26) ↑3 そういう手続きすら満足に出来ない層に向けた作品だから -- 名無しさん (2024-02-06 10 49 05) 不満を飲み込んで惰性で仕事することしかできない自分を「人一倍打たれ強い」って美化したいからこそ、なろう主人公はタンク職を好む -- 名無しさん (2024-02-06 10 53 09) なろう主人公のタンクは攻撃や魔法も使えることが多いからぶっちゃけ万能職に見える。これはタンクに限らないけど -- 名無しさん (2024-02-13 04 55 48) なろうってだけで何でも見下していいと思ってんだろうなぁ…こういう奴にはなりたくねえわ -- 名無しさん (2024-02-13 22 26 11) 追放系って色々とバターン化されてる要素があるな。主人公の場合は自分を卑下したり、追放側の場合は主人公の戦闘能力だけしか見なかったり、主人公に出来る事は誰にでもできると思ってたり、主人公が行ってた会計等の雑務や主人公のバフが無い場合の自分の実力を把握してなかったり。 -- 名無しさん (2024-05-14 19 30 55) 名前 コメント
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SBS週末ドラマ「君を愛した時間 DVD」に出演するハ・ジウォン、ユン・サンヒョン、秋山成勲(韓国名:チュ・ソンフン)、オン・ジュワン、INFINITEのエル(L)の撮影記念ショットが公開された。 28日、「君を愛した時間」側は第2話の放送を控えてハ・ジウォンとカメオ出演を予告した4人の男性の撮影記念ショットを公開した。 公開された写真にはハ・ジウォンと4人のイケメンユン・サンヒョン、秋山成勲、オン・ジュワン、エルが集まっている姿が写っている。満面に微笑みを浮かべたままキュートなVサインをしている5人の姿が笑いを誘った。DVD通販 そんな中、4人のイケメンたちのそれぞれのスタイルと魅力が視線をとらえている。ユン・サンヒョンはシャツの襟を大きく開いてドット柄のスカーフを結び、ギターを持っている。秋山成勲は柔道服姿でアスリートの魅力をアピールした。 オン・ジュワンは白いパンツに紺色のジャケット、Tシャツの中に入れたスカーフまで完璧なスタイリングでクールな魅力をアピールしており、エルは落ち着いた服装と片方の口角を上げた可愛い笑顔で愛嬌を振りまき、女心を揺さぶった。 何よりハ・ジウォンのナチュラルな姿が関心を集める。彼女はキャリアーウーマンとしての姿ではなく、Tシャツとジャージーを着て、髪の毛を結んだラフな姿でキュートな魅力をアピールした。そのためユン・サンヒョン、秋山成勲、オン・ジュワン、エルがハ・ジウォンの家を訪れた事情に対する好奇心が高まっている。 「君を愛した時間」の制作陣側は「ユン・サンヒョン&秋山成勲&オン・ジュワン、エルは今夜放送される第2話にカメオとして登場し、面白さを与える予定だ。4人は暑い中でもカメオ提案を快く受け入れ、楽しく撮影に臨んでくれた。おかげで面白いシーンが誕生したので第2話にも多くの関心と愛をお願いする」と伝えた。韓国ドラマDVD「君を愛した時間」は人生の半分以上を共にしてきた友達関係の男女2人が経験する妙な感情と成長痛を繊細なタッチで描き、隠れていた恋愛細胞を刺激する現実共感ラブコメディで、ハ・ジウォン、イ・ジヌクが主演を務め、本日(28日)午後9時55分に第2話が放送される。
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巴プロレス(ともえ プロレス) 85年前に設立されたプロレス団体です 社長は『柔道界のドカ男』と呼ばれた希代の柔道家。金メダリストの巴二十八 「おいらはもっと皆が楽しめる試合がしたいんだ!」と言う信念の元、設立したは良いモノも プロレス(=八百長)の偏見もあり、『巴は逃げた』と非難も轟々中の厳しい経営でしたが 地道な活動を続ける事により、何とかかんとかでやって行く事が出来ました しかし設立15年目のあの日 知人(旅館オーナー)の旅館から、マイクロバスで会場に向かう途中、 レスラー全員を乗せたバスが転落事故に遭ってしまったのです 唯一生き残ったのは『巴二十八』だけでした巴は慟哭します。そして一つ思い出します 「今日は…『豪介』の嫁さんの出産日だったな。おいらが言わねぇと。」 巴は足を引き摺りながらも、病院へ向かいます 「おぎゃーおぎゃー。」 巴が着いたその時。ストロング豪介の息子は出産され、元気に産声を上げていました しかしその嫁は… 「あ…社長……。試合後と言うのにありがとうございます……。」 「あ…ああ……。実はな……。奥さん。」 「豪介…。百文字さん。貴方にそっくりは丈夫な男の子よ……。」 「え…?お・奥さん!奥さぁああああああああああ~~~~~ん!!」 ストロング豪介の嫁は、死んでしまいました 夫には隠していたようですが、相当無理をしての出産だったようです 天涯孤独となった赤ん坊。巴は心に誓います 「これからはおいらが!おいらがお前を育ててやる!! お前は『豪介』だ。親父と同じ名の『百文字豪介』だ!!」 こうして、巴は豪介、男手一人で育てあげる為に、巴プロレスは解散しました 旅商売であるプロレスを続けての子育ては難しく、 また、豪介には学問の道を進んで欲しいと言う思いがあった為の解散でした しかし、70年経った今でも、時折こう音に聞く事があります 「もう一度見てたいな。あの巴プロレスを…!」 思い出何時だって。美しいまま、激しくも楽しく 関連項目 巴二十八 ストロング豪介 耐撃の百文字
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佐々木の館 目標は 『秋の京大ダブルヘッダーでメンバー入り』 です。 以下めにゅう Step 1~5月末 Step 2~6月前半
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班別練習めにゅうとは?? 班別練習とは全体練習の際に今年から設けられた時間です。午前ロングを点取り、午後はショートと班別練習、そして自由射となります。 なのでうちの班としては、従来のおしゃべりだけの班別ミーティングを廃止し、毎週課題に取り組んでもらおうと考えています。反省も大事ですし、ほかの人からいろいろな意見を聞くのはすばらしいことです。なので、そういう質問系は後にくる自由射で行いましょう。とりあえず、班別練習では極力一人ではできないが、効果のあるようなものを取り入れて生きたいと考えています。 6月期班別練習めにゅう 内容 目的 1週目 早射ち競争 クリッカー対策・大きく引く意識・リズム 2週目 的なし的あり行射 狙いこみ防止・リズム 3週目 ビデオ撮影会 射形把握 4週目 なし 名阪戦準備のため